ジェネリックって本当に大丈夫?
【1%以下の成分の違い】
当院は、当初より積極的にジェネリック薬品を使用する、ジェネリック推奨クリニックです。
ただし、ジェネリックが本当に大丈夫だとは考えておらず、ジェネリックを信用しない医師が多いのも事実です。
コマーシャルなどで、ジェネリックは先発品と全く同じという説明がなされており、かなり問題があると考えています。
実はジェネリック医薬品は、成分について、1%以下で成分が若干違う事は許されています。逆に言うと、1%弱の違いが許されるのです。これで全く同じと言うのは問題でしょう。
まして、成分は同じでも、溶け方の調整などに先発メーカーの製法特許があるため、そこは真似できません。実際には効き目や副作用の上では、成分だけで無く、溶け方が非常に大切なのです。
【効き目に重要な溶け方】
先発薬はその成分、その溶け方で大規模な試験を行い、安全性が確立されていますが、ジェネリックメーカーでは小規模でしか臨床試験を行っていません。そのため安全性は弱く、だからこそ安価に出来るわけです。
例えば、先発品、アダラート(一般名:ニフェジピン)は、成分は同じでも、溶ける時間によって、アダラート、アダラートL、アダラートCRと、使い方も異なる別製品が存在します。
製法特許がありますので、徐放性(溶け方をゆっくりに調節する)部分は各社独自で、真似できません。同等性の試験というものは行われていますが、違う方式をとる以上、同等ではありません。
医薬品の製造承認を得るためには、原材料の製法、仕入れ方から、製品の製法まで、全ての手順を申請し、全くその通りに作らなくてはなりません。一つ変えても違法となります。
信頼性第一にプライドを持って製造している先発メーカーと比べて、ジェネリック会社は、原材料の仕入れ先を勝手に変えたり、違う成分が混ざってしまったりと、信頼に対する認識が甘いため、これくらいは良いだろうと次々と問題が生じています。
やはり、ジェネリックメーカーという存在そのものが、医療費削減の御旗のために認められた、合法的なコピー商品製造会社という体質であるからでしょう。
【全く同じジェネリックの存在 AG 】
だからと言って、ジェネリックが全くダメな訳ではないのです。先発メーカー品と全く同じジェネリックも、実はあるのです。
オーソライズド・ジェネリック(AG)と言い、これは先発メーカーが委託製造していたり、先発メーカーが子会社で製造販売していたりします。
単純に安いだけです。
しかしこのAGは仕入れ値が一定で、儲けが少ないのです。院外処方薬局も出来れば差益の大きい、仕入れ値の安いジェネリックを使いたいものです。院外処方薬局には、医師が信頼できるこのジェネリック出して欲しいと、指示して出すことは許されないのです。
どのジェネリックを採用するかは、院外処方薬局に裁量権があります。実際に出されるお薬は院外処方薬局によって全く別物なのです。
当院では、近所のマスダ薬局と常に協議して、AG中心に、当院の指定する信頼のおけるジェネリックを採用していただいております。
特定の院外薬局への誘導は禁止されています。敷地内や隣接して建てることも禁止されています。
しかしそれは、本来その医院が関連薬局を開店して儲けを独り占めしたり、マージンバックさせたりする事の無いように、院外処方薬局の独立性を保つようにとの目的だから禁止されたのです。
その点、当院はマスダ薬局様とは何ら利益関係はありません。
ただただ患者様のために、信頼の置けるジェネリック薬剤を提供すべく、連携をとっていただいている、当院が信頼する薬局として、マスダ薬局を推奨するのです。
だからこそ、ジェネリックをそれ程信頼していない当院が、安心してジェネリック推奨クリニックとなれるのです。
医療費の削減には皆で協力せねばなりません。
ジェネリックを否定するものではなく、むしろ推奨したいのです。
しかし、そのために患者様が犠牲となってはなりません。良いジェネリックを選ばねばなりません。