逆流性食道炎って本当は?- ドクターの本音トーク
こんにちは、消化器専門医の鹿岳です。今日は、よく耳にするけれど実はよく分かっていない「逆流性食道炎」について、本音でお話ししたいと思います。
✨ 逆流性食道炎の正体
まず、逆流性食道炎って何なのか? 簡単に言えば、胃酸が食道にくり返し逆流して胃食道接合部に潰瘍が出来る疾患です。でも、実はそう単純ではありません。
🔍 ドクターの洞察: 実は、逆流性食道炎と診断される患者さんの多くが、別の病気「機能性ディスペプシア」である可能性が高いんです。
👥 誰がなりやすい?
よく「お年寄りや太った人がなりやすい」と言われますが、本当でしょうか?
- 背中が曲がったお年寄り
- 姿勢の悪い人
- お腹周りが気になる人
確かに、これらの方は胃が圧迫されやすく、胃酸が逆流しやすい状態にあります。標準~やせ型体型の人にはめずらしいです。
🤔 診断の難しさ
ここで面白い話があります。実は、逆流性食道炎の診断基準がちょっと曖昧なんです。
💡 豆知識: 以前は機能性ディスペプシアの治療薬がなかったため、逆流性食道炎の薬で代用していました。そのため、診断基準が緩められたんです。
単なる逆流を逆流性食道炎と思っている方も多く、逆流自体は、食べ過ぎや、食べてすぐ横になることや、老化で起こることです。
当院では、できるだけ正確な診断をするために、内視鏡検査時に鎮静剤を使用しています。これにより、検査中の反射で傷ができる医原性の食道炎は起こりにくいため、他院よりはるかに逆流性食道炎の診断は少なくなっています。
機能性ディスペプシアと治療法が異なるため、鑑別を行うためには、逆流性食道炎の診断はしっかりした潰瘍の有無で見て、きつめに診断するのが良いと考えています。
🏠 日常生活でできること
さて、逆流性食道炎(もしくは症状)を予防するために、日常生活でできることをいくつか紹介します:
- 食べ過ぎないこと(胃に優しく!)
- 食後すぐに横にならない。最低4時間は横にならない。老化で胃の入り口の締まりが悪くなってきます。
⚠️ 高齢者の方への注意: 夜間の逆流は誤嚥性肺炎のリスクがあり、死因となることも多いです。逆流性食道炎の薬を飲むと胃酸が減り気づきにくくなるため、誤嚥性肺炎もひどくなります。主治医とよく相談しましょう。
🎬 まとめ
逆流性食道炎、奥が深いですよね。でも、基本は食べ過ぎず、食後はすぐ横にならない。simple です。
健康で楽しい毎日を過ごせますように。
また何か気になることがあれば、いつでも相談してくださいね。